通常のダイビングで使用しているタンクには空気が入っていますが、ダイビングにおいては空気よりも酸素分圧の高い気体のことをナイトロックス(エンリッチドエア)と呼んでいます。
通常の空気は酸素分圧21%、窒素78%ですが、ブルーマーリンでは自社の充填所でチャージした酸素分圧32%、窒素67%のナイトロックス(EAN32)を使用します。
ブルーマーリンでは無料でナイトロックスを利用できますが(ご利用に際しては資格が必要です)、通常の空気とナイトロックス、ダイビングでどんな違いがあるのでしょうか?
メリット1 減圧症への予防効果が高い
メリット2(水面休息時間の短縮)
メリット3(無減圧限界時間の延長)
ナイトロックスを使用する最大の利点は上記のメリット1「減圧症の予防に大変効果的」という点であると考えています。減圧症の予防の観点からダイビングガイドは基本的にはナイトロックスを使用します。
確かにナイトロックスを使用すれば、無減圧限界時間が長いため、通常のダイビングよりも長く潜ることができます。また水面休息時間を短くすることもできます。しかしそれはナイトロックスの最大のメリットと考えている「減圧症の予防効果」という利点を小さくしてしまいます。
ブルーマーリンでは「減圧症の予防効果」を最大限発揮することを目的にナイトロックスを導入しています。長時間の潜水等を目的としている訳ではありませんのでご了承ください。
*通常の空気を使用したダイビングでも減圧症になる可能性は非常に低いことを忘れないでください。逆に「ナイトロックスを使用すれば減圧症にかからない」という訳でもありません。減圧症の予防には下記の点が重要です。
1.無減圧潜水時間ギリギリまで潜らない
2.適切なダイビングプロフィールで潜る
3.ゆっくりとした浮上速度を守る
4.水中で激しい動きをしない
5.潜水前は脱水症状に気を付け、多量のアルコールの摂取を避ける
ナイトロックスの利用は良いことが多いですが、いくつか気を付けなければいけない点があります。
- ダイビング中は水深に気を付ける
(例:細かい説明は省きますが酸素濃度32%のナイトロックスであれば、水深34m以上潜ると酸素中毒を発症する危険性があります - 潜る前に必ずダイブコンピューターの酸素濃度設定を確認しましょう。
- 上述の深度制限の関係からBMでは、ナイトロックスを使用してのダイビングを禁止しているポイントがいくつかあります。ガイドの案内に従っていただくようお願いいたします。
- パラオではナイトロックス用に整備されたレギュレーター等の使用について義務付けられていません。したがって現在お使いのお手元の機材をそのままご利用できます。